宇治市の概要
千年の時を超えて流れる宇治川を中心とした美しい景観と、1994年12月にユネスコの世界遺産に登録された「宇治上神社」、「平等院」をはじめとする豊かな歴史・文化遺産に恵まれた宇治は、ある時は戦乱の舞台として、また別の時代には文化の中心として、常に日本お歴史とともに歩み、発展を続けてきました。
そして、古くは「日本書紀」や「万葉集」にも描かれ、世界で最も古い長編恋愛小説「源氏物語」宇治十帖の舞台にもなっています。
源氏物語に関連のある社寺だけでなく、禅宗・黄檗宗の大本山である萬福寺や西国三十三ヶ所の十番札所である三室戸時など、各時代を代表する数多くの歴史的、文化的遺産がそれぞれの時代の息吹を今に伝えてくれます。
また、高級茶の代名詞ともなっている「宇治茶」の産地としても有名で、全国的にも珍しい市営の茶室「対鳳庵」があります。宇治川沿いのけしきのいいところにあり、伝統的な茶室で、本格的なお手前で出される宇治茶を味わってください。
宇治茶
12世紀の終わり、中国僧 栄西により日本に伝えられた「茶」は、日本人の生活と密接に結びつき、固有の文化を形成してきました。
宇治には13世紀初頭に播植されました。その後、宇治は、幕府や権力者の庇護のもとに、日本を代表する茶の産地として発展し、「宇治茶」は宇治を代表する産業、文化となっています。
源氏物語と宇治
源氏物語は、関白藤原道長の娘 彰子に仕えた女流作家 紫式部(973~1014)が書いたもので、全編が54帖から構成される世界的にも有名な古典文学です。
この物語の最後の10帖は、宇治を主要な舞台にしていることから特に「宇治十帖」と呼ばれています。